団地やマンションの、エレベーターのない階段での搬送は、遺体搬送の中でも、特に負担の大きい場面です。
ここでは、担架で運ぶ方法の限界と、階段昇降タンカPROの使い方、スライダータンカとの使い分けをまとめました。
担架を、両側で持って運ぶ大変さ
担架の両端を持って、階段を運ぶ方法では、狭い団地の階段を、最後まで休むことができません。
踊り場での向きの切り返しも、持ち上げたまま行うため、腰や腕に負担がかかります。
さらに、階段が狭いと、前後の2人がかりになりやすく、3〜4人で持つことが、困難なことが多くあります。人数を増やして、負担を分けることができません。

担架の両端を持って、階段を運ぶ場面
階段昇降タンカPROの使い方
階段昇降タンカPROは、脚側の3連ホイールを、階段に接地させて、昇り降りします。基本は、2人で行います。

上側の人が支え、下側の人が補助する(3連ホイールが階段に接地)
- 上側の人:担架をしっかり支えながら、昇り降りさせる
- 下側の人:昇るときは、昇る動作を補助する。降りるときは、降りる動作をサポートする
- 踊り場などの転回:下側の人が、3連ホイールを操作して、向きを変えるとスムーズ
片側が、階段に接地しているため、5階からの搬送でも、途中で休むことができます。担架を両側で持つ方法と、大きく違う点です。
体重60kg程度の方であれば、成人男性が一人でも、昇らせることはできます。ただ、安全面と操作性を考えると、上側・下側の2人体制をおすすめします。
2人で行うときの、役割
階段昇降タンカPROは、上側の人が、担架を支えながら、昇り降りさせます。下側の人は、その動きを補助します。
動作の中心は上側の人で、下側の人は、補助が中心です。そのため、下側の人は、女性や新人のスタッフでも、担当できます。
スライダータンカとの使い分け
スライダータンカは、階段などで、担架をスライドさせるようにして、下ろしていく搬送に使います。
底面のプラスチックのスライダーで、しなやかにスムーズに滑ります。階段では、上と下で、最低2名で運ぶのが通常です。取っ手は6個あります。
ご注意:スライダータンカは、地面(階段)に器具を付けて、搬送します。そのため、見栄えとして、あまりよくない印象になることがあります。ご遺族の目に触れる場面では、使う場所や状況を、考える必要があります。
| 担架 | 階段での使い方 | 人数 |
|---|---|---|
| 階段昇降タンカPRO | 3連ホイールで、昇り降りする。途中で休める | 基本は2人 |
| スライダータンカ | 階段を、滑らせて下ろす | 最低2名 |
| 一般的な担架 | 両側を持って、運ぶ。途中で休めない | 複数名 |
ストレッチャーとの組み合わせ
階段昇降タンカPROは、AUDENの「PRO」シリーズ(PRO-Lite 2・PRO-Roller 2)専用です。
セットのST・EXグレードに付属します。担架を、ストレッチャーの本体に載せるのも、2人で行う作業です。
くわしくは、ストレッチャーの選び方・比較ガイドをご覧ください。
実際の階段で、試してから決める
- 1週間のサンプル貸出:10,000円(税抜・往復送料込み)。ご購入の場合は、サンプル貸出費用が実質無料です。
- 下取り:稼働品のファーノ製ストレッチャーは、最大10万円(状態により減額)。
- 補助金・リース:補助率が最大1/2の補助金があります(要件あり・交付決定前の発注は対象外)。リースなら、月々1.3万円前後から導入できます(目安・審査あり)。
よくあるご質問
Q. 階段の昇り降りは、一人でもできますか。
A. 体重60kg程度の方であれば、成人男性が一人でも昇らせることはできます。ただ、安全面と操作性を考えると、上側・下側の2人体制をおすすめします。
Q. 5階など、高い階からの搬送でも使えますか。
A. 片側のホイールが階段に接地しているため、途中で休むことができます。
Q. どのストレッチャーに載せられますか。
A. 「PRO」シリーズ(PRO-Lite 2、PRO-Roller 2)にのみ対応しています。



