搬送業務において欠かせないモノの一つが担架です。
緊急搬送ではもちろん、事故現場や災害現場、また病院や施設などからの移動にも利用されます。
自力で動けなくなった人の体を移動させるときに道具がなければ、
一人で背負ったり、抱えたり。
二人なら、両側から支えてたり
実際に人の体は重く、災害現場などでは自身の安全を確保しながら移動するのも困難です。
そんな時に役に立つのが、「担架」です。
担架と行っても種類は様々。
今回は、担架の中でもAUDENで取り扱っている「MDタンカ」の使い方をご紹介しつつ、搬送業務に携わる葬儀事業者さんの負担の軽減に役に立つ情報をお届け致します。
担架とは
辞典によれば担架とは下記のように説明されています。
病人、けが人を人の力で持ち上げて運ぶ運搬用具で、脚、車輪はない。担架には、2本の棒の間に帆布が張られて不用のときは折り畳めるようになっているものと、板製などで畳めないものとがあるが、主として救急時の運搬に用いられるため、折り畳めるもののほうが多い。人力で運ぶということから、階段、急な坂道などというような不便な場所でも使え、活用範囲が広い。屋外で用いるときは、保温を十分にして、病人が転落しないように支持(抑制)べルトをつける。運搬中は上下左右の振動を与えないようにするほか、平地を歩くとき、階段・坂道を下りるときは病人の足元から進み、階段・坂道を上るときは頭部から先行するようにする。なお、担架はつねに水平を保ち、病人の頭部を下げないことが原則なので、2人で持つときは、背丈の高い人が病人の頭部のほうを持つようにする。
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について
※主に、病人、けが人を移動するときの内容となっていますが、弊社ではご遺体を扱う時に特化した製品となっていますので、必ずしも原則どおりではないことをご了承下さい。
ご遺体搬送用の担架は、「人力でお体を載せて運ぶ」という機能面では通常の担架と同じです。
金属製のパイプ枠に布シートが貼ってあり、シートベルトで固定して、落下しないようになっています。
布シートは張りはあるけど若干伸びることでしっかりと体を保持し、シートベルトを締めることでしっかり固定できます。
軽量で折り畳みできるので、持ち運びやすく、寝台車への収納やストレッチャーに常備できます。
ご遺体搬送用の担架は、病院や施設からの移動にかぎらず、自宅など狭所での搬送に最適な設計がされています。
その特徴として、折り畳みのタイヤと支柱脚が備わっています。
遺体搬送用の担架の装備
ご遺体搬送用の担架には通常の担架とは違う装備があります。
折り畳みのホイール
ご遺体搬送用の担架には折りたたみのホイールが備わっているモデルがあります。
遺体搬送用の担架の折り畳みのホイールがあることで、担架の片側を地面に設置して転がして移動ができるます。
その為、狭い場所を通過するとき(例えば、クランク状の廊下角、狭い階段の切り返し、直角に入室しないといけない部屋の入口など)、担架をタイヤを軸に立てることで長さ方向を短くできるので簡単に曲がることができ、そのまま進むこともできます。
けが人の搬送のときは担架を水平にするのが原則ですが、亡くなった方を搬送する場合はその限りではありません。だから、斜めに立てて移動ができる場合もあるので装備されている機能となっています。
また、エレベーターに置いても、庫内に奥行きがない場合には、この立てる機能を使い簡単に搬送ができます。
足止め
ご遺体搬送用の担架には、斜めに立てた時にお体がスリ落ちてしまわないように、足止めが備わっているモデルがあります。
階段など斜めにして搬送する場面で、担架からお体が下に滑落してしまう可能性があります。
そんな時に、足止めが備わっていれば、その心配もなく安心して担架を斜めに立てて階段を運ぶことが可能です。
担架に備わっているホイールを利用して斜めに立てて移動する場合も同様に、足止めがあると落ちてしまう心配がなく、スムーズに狭所の移動が可能になります。
担架に附属のシートベルトで膝辺り胸の付近をしっかりと固定していれば、更に安定して斜めに立てて移動が可能となります。
折り畳み支柱脚
折りたたみ式の支柱脚が備わっている担架があります。
折り畳みの支柱脚と折りたたみのホイールを立てて、地面に水平に設置できて簡易的なベッドになります。
そのまま寝台車などの車両に乗せることも可能です。
支柱脚は斜めに立てるときの持ち手にもなります。
外に180度開くものもあるので、複数人で担架を保つ場合に便利です。
階段昇降機能(階段昇降タンカPRO、階段昇降タンカのみ)
ご遺体搬送用の担架では斜めに立てられることから、階段昇降できるホイールを備えた担架もあります。
3連のホイールが付いていて、階段を一段一段ホイルを回転させながら上り下りさせることができます。
ホイール側を持ち上げる必要がないので搬送員の負担を軽減できます。
すくい上げ機能(スクープストレッチャー)
スクープストレッチャーという担架には、分割してお体を挟み込み、すくい上げて利用する便利機能があります。
フレームの両端についている開放ボタンを押せば、本体が縦に分割
お体に対して両側から半分ずつスクープ本体を差し込み、再びフレームを組み合わせる
あとベルトを締めて、持ち上げれば、普通の担架と同様に利用できます。
ご遺体搬送用の担架の使用場面
ご遺体搬送用の担架を使用する場面はどんなときか
- 自宅に安置の際、狭まい廊下が経路にあるとき
- 自宅に安置の際、階段で2階の部屋へ搬送するときまたは、逆に部屋から運び出す時
- マンション、団地等で奥行きのないエレベータで搬送するとき
ストレッチャーでは搬送できない場所などで、担架を利用して安置場所まで搬送する時に利用します。
ですので、狭いところを人の力で搬送するので、移動しやすいスリムな設計であったり、立てられる設計であったり、ホイールで脚側を転がして移動できたりする機能があると、搬送員の負担は大幅に軽減します。
備わっている機能によって使い分けることで、スムーズな搬送に繋がります。
ご遺体搬送用の担架の使い方
改めて説明の必要はないとは思いますが、担架の使い方を説明します。
- 担架を床や平らな場所に設置します。(折り畳みのキャスターや支柱がある場合は立てます。
- お体を担架の中央に寄せ、頭を担架の一方に寄せ、足をもう一方に寄せるように配置します。
- 斜めに立てる場合は、足止め側に足を寄せます。
- 担架に固定されるように、担架のベルトやストラップを使用して、体を固定します。胸部、腰部、脚部の各部位にストラップを使用して、しっかりと固定します。
- 担架から降ろすときは、担架を安全な場所に置き降ろします。
ご遺体搬送におすすめの担架
ここでは、AUDEN JAPANの3種類の担架をご紹介します。
用途や運用に合わせて主に3種類の展開となっております。
1. MDタンカ
MDタンカの特徴は
- コンパクトに折りたためる軽量なつくり
- 折り畳みの足止めがついているので担架を斜めに立てられる
- MDホイールを装備しているので、足側を設置して移動するときに横にも滑らせることができる
- フレームの両端が細くなっていて、狭所の搬送時に小回りが利く
シンプルで使いやすい担架です。
サイズ | 長さ : 187cm 幅 : 48cm 高さ : 37cm(足止め含む)耐荷重 : 165kg |
価格 | ¥120,000(税込¥132,000) |
2. 階段昇降タンカPRO
階段昇降タンカPROは特徴的な3連のMDホイールを備えているので、階段の昇降が可能です。
MDタンカと同様の機能は備えていて、さらに3連のMDホイールの取り外しが可能です。
サイズ | 長さ : 187cm 幅 : 48cm 高ささ : 18cm 耐荷重 : 200kg |
価格 | ¥195,000(税込¥214,500) |
3. スクープストレッチャー
スクープストレッチャーは担架ともよばれており、本体を分割してお体を乗せることができるのが特徴です。
体を持ち上げて担架に乗せる必要がなく、縦に分割してわきから体の下に挟み込み、元の形に戻すだけです。
お体をお布団などに下ろす時も、本体を分割するだけなので、搬送員の負担も少なくて済みます。
足を乗せる部分は伸びるので全長が200cmまでになります。
サイズ | 長さ : 167-200cm 幅 :43cm 厚さ : 9cm 耐荷重 : 165kg |
価格 | ¥130,000(税込¥143,000) |
まとめ
今回はMDタンカとその他の担架ついてご紹介いたしました
いずれにしても、担架と言えどいろいろな機能を備えた製品があります。
ただ、人を乗せて運ぶだけではなく、場面によって使い分けたり、
搬送員にとっても使いやすい製品を選ぶことをお勧めします。
力任せに運んでしまえばば大丈夫だよ!なんて話もありますが、
最近では、葬儀業界の現場担当に女性の進出も増えてきました。
また、担当者の高齢化が進んでいるとのお声も聞きます。
腰などへの負担やゲガの原因にもつながる搬送業務においては、今後、力や技術だけでに頼るわけにも行かないのかもしれません。
そんなときは、便利な道具の力を利用して、スムーズに、安全に業務を行っていただけたらと思います。
AUDEN JAPANでは、そんな葬儀業界に特化した便利な搬送備品を他にも取り扱っています。
便利な道具で負担を減らして、働き方改革、業務改善につなげてください。